【キリスト教徒が、何故ワインを飲むようになったのか…その意外なルーツとは?】

キリスト教とワインは、切っても切り離せない関係です。
いわゆる「最後の晩餐」の時に、イエス・キリストが、パンと葡萄酒(ワイン)を、それぞれ、「自分の体」、「自分の血」になぞらえて、弟子達に振る舞った、という故事に倣い、
ワインは、キリスト教徒にとって、とても大切な飲み物になっています。
しかし、あまりにも有名な、この故事ですが、キリスト教徒が、ワインを飲むようになったキッカケとして、異説が有るというのを、ご存知でしょうか?

まず、キリスト教という宗教は、ローマ帝国の領内で生まれたのですが、
そもそも、イエス・キリスト自身は、自らが新たな宗教を創始したという事は思っておらず、
あくまでも、従来から有るユダヤ教を改革しようとしていた、つまり、イエス・キリストはユダヤ教の改革者であった、というのが、本当の所のようです。

イエスの死後、彼の教えは、弟子達によって広められ、やがて、それがキリスト教として発展して行くわけですが、
初期のキリスト教は、ともすれば異端視され、イエスの弟子達が布教するにも、とても苦労したと言います。

ところで、当時のローマ帝国の領内で、広く信奉されていた宗教として、ペルシアから来たミトラス教と、エジプトから来たイシス教というものが有りました。
この内、ミトラス教は、太陽神ミトラスを祀る宗教で、その太陽神のために、ワインを捧げるという風習が有ったそうです。
初期のキリスト教の指導者達は、これに目を付け、キリスト教でも、ワインを飲む習慣を、積極的に取り入れたのだとか。
その他、イシス教からは、女神イシスから拝借し、幼子イエスを抱く、聖母マリアというイメージを作り上げる、という事も行いました。
つまり、初期のキリスト教は、他の宗教で、良いと思った部分を取り入れた、要は、良い所取りをして、信者の獲得に努めていた、という事になります。
その寛容性、積極性こそが、キリスト教が世界宗教へと発展して行くための鍵になった事は、間違い無いでしょう。

ワインは、キリスト教徒にとって、大切な飲み物というだけでなく、キリスト教が発展するためのキーポイント、
世界宗教たるキリスト教の、象徴でもあったわけです。そう考えると、とても面白いですね。