青年のイメージ崩さぬDRCラターシュ

DRCラターシュ、この名を聞くと私は、瑞々しく深い紫色を帯びたブドウ 、ピノ・ノワールを思いだします。いかにも爽やかで、生命の息吹が閉じ込められたかのような麗しい果実、あれからならば、あのように価値のあるワインが生まれても、不思議はないと思えるのです。
もちろん、ブドウだけがあれば、美味しいワインが作れるわけではありません。ロマネコンティの歴史や、ワインにかける熱意、それを信頼し尊敬する人々が、DRCラターシュを支えてきたのは、確かです。だってそうでなければ、ただひとつのシャトーが作り上げるワインが、こんなに世界に広がって、さらに人気を得ることなど、ありえませんもの。今のようにインターネットで各国が繋がる前から、DRCラターシュはワイン愛好家の間で、確かな立場を確立していたのです。
そう考えるとこの ワインは、まるで古来から脈々と血筋が繋がってきた良家の息子さんのようなイメージをもちますね。ただロマネコンティというシャトーは、歴史的に厳しい時代を乗り越えてきていますから、良家の箱入り息子ではなく、戦う紳士、あるいは騎士のような印象でしょうか。
いつでも若々しく生き生きとしたワイン、それがDRCラターシュです。彼――イメージからあえてそう書きますが――彼は今後もずっと、私たちに、自由と若さ、そしてそれにともなう精神的な喜びを与えてくれるでしょう。もちろん、のどを潤し味覚を満足もさせてくれますけれどね。